香港にはかっこいいオッサン達がいる。
茶餐廳や街中の粥屋、レストランにもいる。
彼らは、ニコリともせずに客を認めると
黙って席を指差す。
客の注文を受ける時も茶を給する時も笑うどころか
店内を隙無く見回している。
客が顔を上げれば目が合い、たちどころに要求を汲み取ってしまう。
日本のサービスマニュアルでは、笑顔が基本だが
香港に来ると、この常識に疑問を持ってしまう。
勿論、笑顔でいるに越した事はないが
陸羽茶室のオサーンのしかめっ面はそれでも欲求を充分に充たせている。
顧客の真に求むるサービスを提供する。
虚飾を拝した時に、その本質が見える。
我々が求めているのは可愛いウェイトレスのつくり笑顔ではない。(こともない)
そう言えばヨーロッパでもこういうオサーンに惚れ惚れさせられたなぁ。
高齢化が進んでしまい、彼らが減少傾向なのは少々寂しい。